群馬県前橋市田口町を発祥とする、貴重な群馬伝統野菜のひとつ。アブラナ科のとう菜で、早春に伸びる花茎の蕾を食用とします。明治期から田口町とその周辺のごく限られた農家でのみ栽培が続けられてきた、地域固有の在来種です。
同じく前橋市の伝統野菜である「宮内菜」と並んで、両者は「前橋とう菜」の双璧として知られています。田口菜は宮内菜と比べると葉の色がやや濃く、苦みが少なくまろやかな甘みがあるのが特徴。茎は柔らかく、しゃきっとした歯ごたえが残ります。
栽培期間は11月種まき、翌年3月〜4月の限られた約1ヶ月のみが収穫期。気候が暖かくなりすぎると花が咲いてしまうため、収穫のタイミングが非常に短いことが、流通量が限られる理由のひとつです。
食べ方の定番は、さっと茹でた後のお浸し・からし和え・卵とじ。前橋市内の家庭では春先に「今年も田口菜が出たね」と話題になる季節の野菜で、地元の食卓にとって春の到来を告げる存在です。現在は道の駅まえばし赤城(前橋市田口町)や、市内の直売所で3月〜4月の限られた期間のみ販売されており、まさに「地産地消」を象徴する希少な伝統野菜です。