群馬県沼田市・利根郡を中心に栽培されてきた伝統的なさといも。一般的なさといもとは異なり、芋の表皮や芽の部分に赤紫色の色素を持つことから「赤いも」と呼ばれます。古くから上州地方の山間部で家庭の自家用として育てられてきた在来種です。
赤いもの特徴は、ねっとりとした強い粘りと、甘みのある濃厚な味わい。一般的なさといもより肉質がきめ細かく、煮崩れしにくいため煮物に最適です。皮を剥いた身も淡いピンク色を帯びており、見た目の美しさも魅力のひとつです。
栽培は4月植え付け、10〜11月収穫。山間部の冷涼な気候と水はけのよい土壌が栽培に向いているとされます。生産量は限られており、現在は沼田市・利根郡の道の駅や直売所で秋に少量見かけることができる希少な伝統野菜です。
定番の食べ方は、煮物・けんちん汁・芋煮・田楽。特に上州地方の郷土料理「上州御代田の芋煮」「上州けんちん」には欠かせない存在で、秋の食卓を彩る滋味深い味わいで親しまれてきました。