群馬県前橋市石倉町を発祥とする伝統野菜。「石倉ねぎ」「石倉根深」とも呼ばれます。明治後期から大正期にかけて、石倉町の農家によって選抜・育成された在来種で、現在も石倉町周辺のごく限られた農家のみが伝統を守りながら栽培を続けています。
最大の特徴は、軟白部(土に埋まった白い部分)が極めて長く、30〜40cmにも達すること。これは深く溝を掘って何度も土寄せをする手間のかかる栽培方法によって実現されます。栽培期間は1年以上に及び、農家の根気と技術が結晶した野菜です。
味の特徴は、加熱するととろりと甘く崩れる柔らかな肉質と、ねぎ特有の辛味とのバランスのよさ。地元前橋では「すき焼きには石倉ねぎ」と言われるほどで、群馬の郷土料理「すき焼き」(群馬は牛肉・ねぎ・しらたきなど食材産地の宝庫)には欠かせない存在です。
そのほか、鍋物・焼きねぎ・ねぎぬた(ぬた和え)など、加熱して甘みを引き出す料理に適しています。11月から翌年2月の厳冬期が旬。生産量が限られているため、市場での流通は少なく、主に前橋市内の直売所や道の駅まえばし赤城などで見ることができます。